研究と知見

Research & Insights

研究と知見

歩くことは、
仕事のコンディションにどう関わるのか。

分かっていることと、まだ分からないことを分けて考えます。

Intro

歩行を、「健康」だけで見ない。

歩くことは、身体活動の一つです。

一方で、仕事の中では、移動、立位、疲労、睡眠、集中、判断、身体負担など、さまざまな要素と関わっています。

Amemeは、歩行を単なる運動量としてではなく、働く人の身体資本や能力発揮を考えるための一つの入口として捉えています。

Physical Load Side

身体負担の軸

  • 長時間立位・身体負担
  • 靴と立位・歩行
  • 歩行の質(速度・歩容)

Performance Side

能力発揮の軸

  • Work Ability・プレゼンティーズム
  • 脳・認知(発想)
  • 気分・睡眠・回復・印象

このページでは、Amemeがサービス設計の背景として参照している外部研究・知見を、2つの軸に整理して紹介します。

Physical Load

立つ・歩く時間が長い仕事では、
身体への負担も重要なテーマです。

仕事の中で長時間立つ、歩く、移動することは、足・腰・膝などへの身体的な負担と関係することが報告されています。

米国の労働安全衛生研究所(NIOSH)の研究者による文献レビューでは、職業上の長時間立位が、腰部や下肢の痛み、疲労、不快感などと関連することが整理されています。あわせて、床マット、座位と立位を切り替える作業環境、靴やインソールなどの対策も検討されています。

また、床材やインソールなどのクッション材については、長時間立位での筋骨格系の不快感や疲労との関係を調べた系統的レビューがあり、「中程度のエビデンス」があると評価されています。研究数や方法の違いから、結論には限界があるとも述べられています。

「立ち仕事だから悪い」という単純な結論ではありません。長時間立位や反復する歩行が、身体負担のテーマとして研究されている、ということです。

こうした身体負担は、仕事を続けるうえで無視できないテーマです。Amemeは、治療ではなく、日常の足・靴・歩き方を見直すという予防的・教育的なアプローチから、このテーマに向き合います。

Footwear

靴は、歩行や立位の条件の一つ。

歩く・立つという行動は、身体だけでなく、履いている靴の影響も受けます。

日本の地域在住高齢者を対象とした研究では、合っていない靴を履いていた人は、合った靴の人に比べて歩行速度が遅く、歩幅が短く、歩行の規則性も低い傾向が確認されました。適切にフィットした靴に替えると、歩行速度・歩幅・規則性が改善し、その変化はもともと合っていない靴を履いていた人でより大きくみられました。

2026年には、健康な成人30名を対象に、適正サイズより1〜3cm長い靴を履いた条件を比較した研究が報告されています。靴が大きくなるにつれて10m歩行時間が長くなり、股関節・膝関節を中心に下肢の動きも変化しました。

長時間立位の研究でも、靴やインソールのクッション性・支持性は、快適性や身体負担との関連が検討されています。

Amemeが「足・靴・歩き方」を一体で見る理由の一つです。

Gait Quality

歩数だけでは分からないことがあります。

歩数は、身体活動量を知るうえで重要な指標です。

一方で、同じ歩数でも、歩行速度、歩幅、テンポ、身体への負担などは異なります。

歩行研究では、歩行速度が、幅広い集団で機能的な状態や全体的な健康状態を捉える妥当性・信頼性のある指標として整理されており、「第6のバイタルサイン」と呼ばれることもあります。歩容や関節への負荷など、歩行の質に関わる指標も検討されています。

ただし、歩行速度が速いほど仕事の生産性が高い、と断定できる研究があるわけではありません。歩行や身体活動と Work Ability、生産性、認知などとの関係については、現在も研究が行われている段階です。

Amemeは、歩数だけでなく、どのように歩いているかという視点も重視します。

Work Ability

Work Ability|仕事を続ける力

Work Ability(ワークアビリティ)は、外部研究で用いられている概念で、仕事で求められることと、その人が持つ身体的・心理的・社会的な資源との適合を考えるものです。

フィンランド労働衛生研究所の研究者らによって発展し、健康や身体機能も、その一部として位置づけられています。Work Ability Index という指標は、疾病休業や就労不能、早期退職の予測にも用いられてきました。

Work Abilityは、Ameme独自の概念ではありません。Amemeが身体資本を考える際に重視するのは、「その人が仕事に必要な行動を実行できるか」という視点であり、Work Abilityの研究は、その視点を考えるうえで参照している外部の枠組みです。

Presenteeism

腰痛とプレゼンティーズム

プレゼンティーズムとは、出勤しているものの、健康上の問題などによって仕事の質や量が低下している状態を指します。

External Research

約3.03兆円/年

腰痛によるプレゼンティーズムの国内推計損失

国内就労者1万人を対象としたインターネット調査。仕事に最も影響する健康問題として、首の痛み・肩こり、腰痛、メンタルヘルス不調が上位に挙がり、それぞれの国内推計コストが算出された(昭和大学・東京大学・産業医科大学ほか、2020年)

※外部研究による推計であり、Amemeのサービス効果を示すものではありません。

この研究では、第一次・第二次産業や医療・福祉の分野で、腰痛が仕事に最も影響する症状として挙がる傾向も報告されています。立つ・歩く・移動する時間の長い仕事にとって、身体負担は能力発揮とも切り離せないテーマです。

Ideation

歩くと、発想は変わるのか。

考えが煮詰まったとき、席を立って歩いてみる。
そんな何気ない行動と、アイデアを生み出す力との関係を調べた研究があります。

スタンフォード大学のOppezzoとSchwartzによる研究では、歩いているときは座っているときに比べて、創造的な発想を測る課題の成績が高まることが示されました。

一方で、すべての思考課題が同じように高まったわけではありません。

歩くことは、単なる移動ではなく、「考える」という仕事の時間とも関係している可能性があります。

Workday

昼休みに歩くと、午後はどう変わるのか。

昼休みの30分。
その時間に歩くことと、仕事中の気分との関係を調べた研究があります。

英国の大学職員56名を対象としたランダム化比較試験では、身体活動の少ない従業員が週3回・30分の昼休みウォーキングを10週間実施しました。

その結果、仕事中のenthusiasm(熱意)、relaxation(リラックス)、nervousness(緊張)など、一部の感情状態に変化が確認されました。

解析方法によって結果のパターンには違いがあるため、すべての人に同じ変化が起こることを示すものではありません。

歩くことを、仕事から切り離された「運動時間」としてだけでなく、働く一日の中で考える研究も行われています。

Sleep

歩くことと、眠ること。

仕事のコンディションを考えるうえで、睡眠も重要な要素です。

2026年に発表されたメタ解析では、21件のランダム化比較試験、1,707名を対象に、ウォーキング介入と主観的な睡眠の質との関係が検討されました。

その結果、ウォーキングは主観的な睡眠の質の改善と関連していました。

一方で、この研究ではエビデンスの確実性は非常に低い(very low)とも評価されています。したがって、歩けば必ず睡眠が改善すると断定できるものではありません。

それでも、毎日の「歩く」は、一日の活動と回復を考えるうえでも研究されている行動のひとつです。

Impression

歩く姿は、人にどんな印象を与えるのか。

歩行は、本人の身体の中だけで完結するものではありません。
私たちは、人が歩く姿を見ています。

Montepareらの研究では、若年成人の歩行を観察した参加者が、その歩き方から年齢や人物印象を評価しました。

その結果、より若々しい特徴を持つ歩き方の人は、より力強く、より幸福そうだと評価される傾向が報告されています。

これは、「こう歩けば若返る」という意味ではありません。

研究が示しているのは、

歩き方そのものが、他者から受け取られる情報のひとつになり得る

ということです。

仕事では、立つ、歩く、人と会う。
歩く姿もまた、日常の中で繰り返し人に見られています。

To Career Longevity

研究と知見を、
活躍寿命と身体資本へ。

働く人の能力発揮には、身体だけでなく、知識、経験、環境など多くの要素が関わります。

Amemeはその中で、身体資本と日常の歩行に着目しています。研究や知見を参照しながら、足・靴・歩き方という実践領域から、働く人の活躍寿命を考えていきます。

足を知る。

靴を整える。

歩き方を変える。

Our Business

働く人の継続的な活躍を、
毎日の「歩く」から。